便秘改善が健康維持のカギ
毎日大量に出さなくては意味がない
「3日以上排便が無ければ便秘。私は2日に1回は排便をしているから便秘ではない」
このように自分なりに便秘の基準をもっている人は少なからずいるようですが、とんでもありません。もし2日に1回の排便で今現在は健康を維持できているとしても、早晩病気になることは間違いありません。その理由は、1日でも便を出さないと腸の中は加速度的に腐敗菌が増多し、腐敗便となっていくためです。
排便の量も肝心です。毎日400g以上排便している人の便の組成は約50%が腸内細菌とされていますが、一方1日150g前後の人の便の組成における腸内細菌は20%以下だといいます。つまり、便量の少ない人の腸には、排便されない腸内細菌が悪玉菌となって残りやすいということです。そもそも腸の腐敗は、大腸に停滞した過剰アミノ酸や不消化たんぱく質を悪玉菌が分解することで起こります。この分解によってアミノ酸代謝産物の窒素残留物(アミン類)が出現し、その有害物質が腸から吸収されて血液を汚すという負のスパイラルに陥っていきます。
たかが便秘と決してあなどるなかれ。腸の腐敗は、全身の病気を招く実に恐ろしい物なのです。
毎日排便できていない人は今すぐ食生活の見直しを

自分の便の状態から、自分の免疫力や腸の状態をチェックすることができます。良い便、悪い便の目安は次の通りです。
- 良い便
- ・量が多い(300~400gが理想)
- ・太くて長い
- ・黄色に近い色
- ・臭いが少ない
- ・切れが良い
- ・やや水に浮く
- 悪い便
- ・量が少ない
- ・ちぎれちぎれ
- ・茶褐色や黒褐色
- ・悪臭
- ・切れが悪い(何度も拭き取る必要がある)
- ・水に沈む
悪い便に心当たりがある人は腸内環境が悪化し、免疫力が低下しているサインです。また、おならが臭い人も要注意。本来、おならはほぼ無臭です。おならの主成分である窒素、水素、酸素、二酸化炭素、メタンにはほとんど臭いが無いのです。
しかし、便秘や消化不良によって腸内が腐敗すると、悪玉菌によってアンモニア、硫化水素、インドール、スカトール、ガダベリン、モノアミンといった悪臭物質が作り出されるのです。
1回の排便の量は多いことが望ましいのですが、2日に1回まとめてたくさん出すよりも、少しずつでいいから毎日必ず出すことのほうがより重要です。
肉や牛乳、砂糖菓子、加工食品など酸性に偏った食生活を送る人ほど腸の悪玉菌が繁殖しやすくなるということを覚えておきましょう。